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なぜストレッチをするのか

スポーツの練習や試合の前後にストレッチをしている人って、けっこう多いですよね。部活動の光景を思い出してみても、準備運動としてストレッチをするのが定番ですし、健康志向の高い人の中には「運動前にはストレッチが欠かせない」と言う人も少なくありません。でも、そもそもなぜ運動の前後にストレッチをするのが大事なのでしょうか?「ケガを予防するため」と答える人が多いと思いますが、実はそれだけじゃないんです。

まず前提として、ストレッチには大きく2つの種類があります。ひとつは「静的ストレッチ」といって、一定の姿勢を保ちながら筋肉をじんわり伸ばすもの。もうひとつは「動的ストレッチ」といって、体を動かしながら関節や筋肉をほぐしていくものです。この2つは目的が違うので、どちらをいつ行うかによって効果が変わってくるんです。

たとえば運動前に静的ストレッチばかりやってしまうと、筋力やパフォーマンスが一時的に落ちてしまう可能性があるという研究があります。2004年に発表された論文では、運動前に静的ストレッチを行ったグループは、ジャンプ力や瞬発力が低下したという結果が出ています。そのため、最近のスポーツ現場では、運動前には動的ストレッチを取り入れるのが主流になってきています。体を温めながら関節の可動域を広げ、動きの質を高めていくことができるからです。

一方で、静的ストレッチにもちゃんと役割があります。特に運動後に取り入れると、筋肉の緊張をやわらげ、回復を促す効果があるといわれています。運動によって縮んだ筋肉をゆっくり伸ばすことで、血流がよくなり、疲労物質の代謝が促されるんですね。また、筋肉が柔らかくなることで次の日の筋肉痛が軽くなるという報告もあります。

ストレッチのもうひとつの大きな効果として、関節の可動域が広がるという点があります。例えば、前屈をしても床に手が届かなかった人が、もも裏やふくらはぎをしっかりストレッチすると、数日後にはスムーズに手がつくようになった、というのはよくある話です。これは筋肉や腱、関節まわりの組織が柔軟になり、動ける範囲が広がったから。実際、2012年に発表された研究では、継続的にストレッチを行った被験者は、柔軟性だけでなくバランス能力や歩行スピードの向上も見られたと報告されています。つまり、ストレッチを習慣にすることで、スポーツのパフォーマンスだけでなく、日常生活の質も高まるというわけです。

そしてもうひとつ大事なポイントがあります。それは、ストレッチの効果をしっかり引き出すためには「体を温めてから行う」ことが重要だということです。筋肉は冷えた状態では伸びにくく、無理に伸ばそうとするとかえって痛めてしまうこともあります。ですから、ストレッチの前に軽くジョギングをしたり、ジャンプなどで全身を温めることで、筋温が上がり、筋肉がより安全に、そして効果的に伸びるようになるんです。

つまり、ストレッチの目的は単にケガを防ぐだけではありません。動きをスムーズにし、運動能力を高め、運動後の回復を助け、さらには日常の姿勢や柔軟性の改善にもつながります。ただし、その効果をしっかり引き出すには、「いつ、どんなストレッチをするか」「体は温まっているか」といったポイントを意識することがとても大事です。

毎日の生活の中で少しずつストレッチを取り入れていくだけでも、体の動きが軽くなったり、疲れにくくなったりと、うれしい変化が感じられるはずです。特にデスクワークが多い人や、体をあまり動かさない人ほど、その効果を実感しやすいでしょう。運動をする人もしない人も、健康づくりの一環として、ストレッチをぜひ習慣にしてみてください。

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