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スクワット(SQ)やデッドリフト(DL)と腰痛の関係

スクワット(SQ)やデッドリフト(DL)は、下肢および体幹を鍛える基本的なトレーニング種目として広く知られています。しかし、これらのエクササイズを行うことで腰に痛みを感じる人も少なくありません。その原因の一つとして、腰椎や椎間板への負荷が大きいことが挙げられます。では、実際にどの程度の負荷が腰にかかっているのかを、科学的なデータをもとに考察していきます。

スクワットの動作において、腰にかかる負担は体幹の屈曲が始まる瞬間から直立姿勢に戻るまで継続します。特にバーベルを背負ったバックスクワットの際には、膝関節の屈曲角度が70度から90度に達したときに、腰椎への負荷が増大すると報告されています。とある研究データによると、女性では腰椎3/4にかかる負荷が300kgから500kg、男性では450kgから750kgに達します。これは、女性の体重の約5.5倍から9倍、男性の体重の5.5倍から9.5倍に相当するそうです。

腰への負担はスクワット時の体幹の角度によっても変化します。体幹が前傾しすぎると、腰椎の前方剪断力が増加し、腰への負担が高まることが知られています。スクワットを行う際に、適切なフォームを維持することで腰椎の負担を軽減できますが、不適切なフォームでは負荷が過剰になり、腰痛や椎間板障害のリスクが高まるといわれています。

一方、デッドリフトでは腰椎の下部に特に大きな圧縮力がかかります。特に腰椎5番と仙椎1番の間にかかる圧縮力は、体重の8.7倍に達すると報告されています。さらに前方剪断力も体重の2.1倍程度に達し、腰部の安定性が損なわれる可能性があります。パワーリフティングの選手を対象にした研究では、女性で体重の10.8倍、男性で14.9倍の圧縮力がかかることが明らかになっています。また前方剪断力についても、女性で体重の1.9倍、男性で2.1倍に達するそうです。これらのデータからも、デッドリフト時には腰部に極めて大きな負荷がかかることが分かります。

腰椎椎間板への負荷も体幹の屈曲角度に応じて変化します。腰椎4/5および腰椎5/仙椎1の椎間板には、体幹の屈曲角度が30度で体重の1.7倍、40度で1.9倍、50度で2.2倍、60度で2.5倍の圧縮力がかかるとされています。さらに体幹の伸展角度による影響も見逃せません。体幹を10度まで伸展させた場合には圧縮力の割合が減少しますが、15度以上になると再び増加する傾向があると報告されています。

スクワットやデッドリフトが腰椎に与える負荷は、トレーニングの方法やフォームによって大きく変わります。例えば、スクワット時に適切な体幹の安定性を確保し膝の位置を正しく調整することで、腰への負荷を軽減できるとされています。デッドリフトにおいても適切な股関節の動員と背中のニュートラルポジションを維持することで、前方剪断力を抑えられると考えられています。加えて、エキセントリック局面でのコントロールを強化することも、腰への負担を軽減する有効な手段となるでしょう。

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