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腰椎分離症と治療アプローチの考え方

腰椎分離症は、脊椎の椎弓部分に生じる疲労骨折や欠損によって発生する疾患であり、特にスポーツ選手や若年者に多く見られる症状です。一般的に、腰椎分離症の治療には保存的治療と手術的治療があり、患者の状態や症状の程度によって適切な方法が選択されます。
保存的治療は、安静、装具療法、理学療法、および薬物療法などを組み合わせて行われ、痛みの軽減や機能回復を目的としていて、通常6か月程度の保存療法が試みられるますが、それでも改善が見られない場合には手術的治療が検討されるということが多いです。

腰椎分離症の発症には、反復的な腰部の伸展や回旋運動が関与していることが多く、特に野球、サッカー、体操などのスポーツを行う若年者に発生しやすいとされています。また、近年の研究では、遺伝的要因や骨密度の低下も発症リスクに関与する可能性が指摘されています。診断にはX線、CT、MRIが用いられ、特にMRIでは早期の疲労骨折を検出することが可能です。

保存的治療においては、まず疼痛の管理が重要であり、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や神経障害性疼痛に対する薬剤が使用されます。これに併せて、コルセットなどの装具を用いることで脊椎への負荷を軽減し、骨癒合の促進、理学療法として体幹筋の強化やストレッチが推奨されており、特に腹筋や多裂筋の強化が腰部の安定性向上に寄与すると考えられています。

運動療法に関しては段階的なアプローチが重要で、初期段階では腰椎への負荷を最小限に抑えながら、骨盤周囲の筋群を強化するトレーニングを中心に行うことになります。その後、症状の軽減に応じて、体幹の安定性を高めるエクササイズを取り入れ、最終的にはスポーツ復帰を目指した競技特異的なトレーニングへと移行していきます。近年の研究では、バイオメカニクスを活用した動作解析が運動療法の効果を向上させる可能性が示唆されており、個別化されたリハビリテーションプログラムの重要性が増しています。

一方、保存的治療が奏功しない場合や多椎間にわたる分離が認められる場合には、手術的治療が選択されることもあります。研究などでは骨ブロック自家移植と椎弓根スクリュー・ラミナフックを用いた固定術が有効であることが示されています、その他にも椎弓根スクリュー固定術や椎体間固定術(PLIF, TLIF)などの手術法があります。これらの手術の選択は、患者の年齢、活動レベル、症状の重症度、椎間の状態などを総合的に評価した上でどれがよいかを決定します。

また、腰椎分離症の長期的な管理には、再発予防の観点が重要です。特にスポーツ復帰を目指す場合には、適切な動作指導やトレーニングを継続することで、再発リスクを低減することが必要で、体幹筋の強化だけでなく股関節や下肢の可動性を向上させるトレーニングも有効であり、全身の運動連鎖を考慮したアプローチが必要です。

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