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鼠径部痛と内転筋損傷と恥骨炎

鼠径部痛は、多くのスポーツ選手が経験する代表的な痛みのひとつです。
特に、内転筋群の過緊張や恥骨炎、さらにはまれに鼠径ヘルニアといった症状が見られることが多いとされています。
これらの痛みの原因やメカニズムを理解し、適切な対処法を講じることが、スポーツ選手にとって重要です。

鼠径部痛の直接的な原因としては、外傷が挙げられます。
特に筋損傷が関与するケースが多く、ジャンプや横走、スケートなどの前額面上で行われる素早い動作がその引き金となることが知られています。
これらの動作には、筋に対する強力な求心性収縮が求められるため、筋への過負荷が生じやすくなります。
その結果、筋が損傷すると、出血が起こり、皮膚上では打撲のような症状が現れることがあります。
損傷が進行し、出血量が増加すると、遠位部まで血腫が及ぶこともありますが、基本的に筋挫傷による痛みは損傷された筋の領域を超えることはありません。
つまり、内転筋が損傷した場合、その痛みは内転筋の範囲内にとどまります。

一方で、恥骨炎は、内転筋群や大腿直筋の強い収縮力によって発生することが一般的です。
内転筋損傷と同様に、急激な方向転換や短距離走などが発症の原因となることが多く、これらの動作によって恥骨周囲の組織に過剰な負荷がかかることで炎症が引き起こされます。
特にランニングやキック、片足でのターンといった動作は、恥骨部への負担を増大させ、症状を悪化させる要因となるため注意が必要です。
恥骨炎の痛みは、恥骨部や鼠径部に限らず、下腹部や会陰部、さらには精巣部や上恥骨部にまで広がることがあります。
そのため、階段の昇降や咳、くしゃみといった日常動作でも痛みが増強することがあるため、症状の程度に応じた慎重な対応が求められます。

スポーツ選手にとって、鼠径部痛を未然に防ぐためには、適切なウォームアップやクールダウンを行い、筋肉の柔軟性や可動域を保つことが重要です。
また、過度なトレーニングによる筋疲労を避けるために、適切な休息を取ることも必要です。
特に、内転筋や大腿直筋に負荷がかかる動作を繰り返す競技においては、定期的なストレッチやコンディショニングを取り入れることでリスクを低減することができます。

治療方法としては、急性期には患部の安静を保ち、炎症を抑えるためにアイシングを行うことが推奨されます。
痛みが強い場合には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用が有効とされていますが、長期間の使用は避けるべきです。
慢性化した場合には、理学療法を取り入れ、筋力のバランスを整えることが重要になります。
特に、股関節周囲の筋群を強化することで、恥骨部への負荷を軽減し、再発を防ぐことができます。

鼠径部痛は、競技パフォーマンスに大きな影響を及ぼす可能性があるため、早期の対応が肝心です。
痛みを感じた際には、無理にプレーを続けず、適切な休息と治療を受けることが、長期的な競技生活を維持するための鍵となります。

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